たとえ家を建てる目的であっても、土地のみの購入に住宅ローンを利用することはできません。そもそも住宅ローンとは、住宅を買うために金融機関からお金を借りる、住宅取得専用のローンであるため、土地のみの購入では融資の条件を満たさないからです。

但し、居住用物件を建てるための土地であれば、土地と建物を一本化して住宅ローンを組むことが可能です。

ところが、住宅ローンは建物が完成してから融資が行われます。仮に土地の購入費、建築工事の着工金や中間金に数千万かかっても、建物が完成していないので融資が受けられないことになります。

では、建物が完成前に発生するお金はどのように用意すればいいのでしょうか。

家を建てる前提で土地を購入する場合に使えるローンは、主に「つなぎ融資」と「土地先行融資」です。

【つなぎ融資】

つなぎ融資は、住宅ローンの融資開始までに必要なお金を、金融機関が一時的に立て替えてくれる制度です。住宅ローンが実行されたタイミングで返済するため、文字通り「つなぎ」としての意味合いがあります。

つなぎ融資は主に次のような場面で利用されます。

①土地を購入する際にかかる費用

②着工金・中間金などの支払い

③引き渡し時にローンの実行が間に合わないとき

住宅ローンが実行されるまでの期間は利息のみを返済し、実行時に全額返済する流れになります。

無担保で借りられ手軽な反面、金利が高く設定されているのが特徴です。

【土地先行融資】

土地先行融資とは、分割融資とも呼ばれる土地先行型融資です。

一定期間内に家を建てることを条件とし、家を建てる前に土地部分についてのみ先に融資を受けることができます。

土地先行融資は、土地に抵当権を設定する必要があるため、金利が低いことが特徴ですが、審査基準が厳しく登記などの手続きが複雑なので注意が必要です。

つなぎ融資や土地先行融資を利用して土地のみを購入する際の注意点をいくつかご紹介します。

・住宅の設計計画

「つなぎ融資」や「土地先行融資」を利用する場合、申し込み時に金融機関へ住宅の建設計画を提出が条件になっているケースが多いため、建物プランが必要になります。

基本的に土地と建物は並行して進めることをおすすめします。

・住宅ローン控除の適用について

つなぎ融資も土地先行融資も一定の条件に適合すれば住宅ローン控除の対象となります。

しかし、建物が完成し居住していないと住宅ローン控除は受けられないため、実際に控除できるのは入居した後になります。タイミングによっては年末ローン残高があっても控除されない年もあります。

また、土地と住宅の名義を統一しておかないと、後々住宅ローン控除が利用できなくなるので注意が必要です。

・金利や諸費用について

土地購入用の融資を利用する場合、手数料や印紙代が発生します。

また、土地先行融資の場合は抵当権設定費用などの諸費用が発生します。さらに、土地購入の段階から元金と利息の返済がスタートするので、返済金についても配慮する必要があります。

つなぎ融資より、土地先行融資の方が利息は抑えられますが、金利面だけでなく諸費用も含めた上で自己資金に余裕をもって用意し検討するようにしましょう。

土地を先に購入する場合、自分に合った方法を選んで無理のない資金計画を立てることが大切です。

つなぎ融資と土地先行融資は、手続きも複雑で返済方法も大きく違います。

アオイ建設では、土地探しのお手伝いもしています。融資を受ける際の図面や見積書の提出もできるため、手続きもスムーズに進められます。ぜひお気軽にご相談ください。